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マスクで口呼吸?

テーマ:健康情報, 小児歯科 2021.04.30

昨年あたりからマスクを常時着用していることで口呼吸になる可能性があると聞き、理屈ではそうかもな…と思いながらにわかには信じがたかったのです。
マスクをしているせいで口呼吸になるというよりも、コロナ禍で人と話す機会が減ってさらにマスクの下では表情を作る必要が少なくなり、口の周りの筋肉が衰える故に口が開いてしまい口呼吸になりがちだという事のようです。

しゃべるときや歌うとき、楽器を演奏するとき、スポーツをするときなど、一時的には「口呼吸」になりますが、そうでないときは「鼻呼吸」をするのが、正しい呼吸の仕方です。
ただ、鼻炎などで鼻の通りが悪かったり、口の周りの筋肉が衰えて口が開いてしまったり、口は鼻より気道の抵抗が少ないので楽に呼吸ができると感じて癖になってしまったり、普段から口呼吸になるかたも多いのです。入り組んだ構造をしている鼻を空気が乱れて通りますから、抵抗を感じるんですね。しかしその際に、ウイルスや異物が鼻毛や鼻の粘膜でブロックされるわけです。ブロックされないダイレクトな口呼吸だとかぜやインフルエンザ、アレルギー性の疾患になり易そうですし、口が乾きやすくなりドライマウスや歯周病などが悪化することだってあります。前歯の歯ぐきが口呼吸のために厚ぼったく肥厚することがあり、審美的にもコンプレックスになることがあります。

最近、小さな子供さんで前歯の歯ぐきが腫れている子をよく見かけますから、コロナ禍で口呼吸になるという噂はあながち間違いじゃないみたいです。口の筋肉を鍛えましょう!
口の周りを鍛える体操がいろいろありますので、ぜひご相談ください。

ところで。
私もスタッフもコロナ以前も一日少なくとも八時間くらいはマスクをしていたわけですが、口呼吸になっていないしなあ…などと個人レベルの事を言っても始まりませんね。これはいわゆる慣れというもので、私たちはマスクをしたままぺちゃくちゃとよく話しますしね。患者さんに説明をする時もけっこうマスクしたままでした。若い頃、「人と話すのにマスクしたままで失礼だ」と年配の先生によく怒られたりしましたが、診療中にその都度マスクを外して患者さんと話すという習慣は全く定着しませんでした。いまとなっては良かったのかも???
だって、清潔不潔の区別を考えると、『マスクをずらすために、ゴム手袋をはずして手を洗って…そのあとまた手を洗って手袋して……』となってしまうのです。今はそれ以外にフェイスシールドもあったりアイソレーションガウンを着て治療していることもあるので、まあ大変です。そんなわけでコロナの流行が終わっても、私たちは治療中お口の中を触っているため、その手でむやみに他の場所を触ることが出来ないし、院内感染予防の観点から診療時間中マスクを外せるタイミングがほとんどないので、あまり素顔をさらさないけどご容赦くださいね。

早くコロナが終息して、みんなが笑って過ごせますように!!

                                                                                                   

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