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象牙質知覚過敏症

テーマ:健康情報, 歯周病予防, 虫歯 2012.05.29

最近ずいぶんと暖かくなりましたね。

冬季に比べると知覚過敏で来院される患者さんが少なくなった印象です。
風や水の冷たさが和らいだのでしょうね。

知覚過敏は虫歯でもないのに冷たいものや酸味の強いものを飲食したり冷たい風に当たった時または歯ブラシで触れた時などに一過性にキーンと歯がしみる状態のことです。この「一過性」は教科書的には30秒以内に治まるものとのことです。
実際には重度の知覚過敏になるともっと長く続いていて、歯の神経の病変ということになり、場合によっては歯の神経を取らないといけないこともあります。

さて、象牙質知覚過敏症(知覚過敏)はどのようにして起こるのでしょう。端的に言えば
「象牙細管が開いて神経を刺激するから」
です。
象牙質には象牙細管という細いトンネルが走っていてその中は組織液が充満しいます。冷たいものや歯ブラシといった刺激で組織液が動くと象牙細管の中の神経終末が興奮して痛みを生じるわけです。
象牙細管が開く原因は様々で歯周病で歯肉が退縮して象牙質が露出したり、咬み合せや歯ブラシによる摩耗、歯ぎしりなどが挙げられます。

治療法は様々です。
①象牙細管内の神経の感覚を鈍麻させる。(閾値を下げる)
②組織液を凝固させて、動かなくすることで刺激をブロックする
③象牙細管口に蓋をする

当院でもこの三つのやり方で治療を行なっています。
①はいわゆる知覚過敏用の歯磨剤です。硝酸カリウムという成分が入っているものです。
よく薬局で売っているシュミテクトはこれですね。
うちでは、システマセンシティブを販売していますが硝酸カリウムで歯髄の興奮を抑制して、もうひとつの成分乳酸アルミニウムで象牙細管を封鎖します。
レーザーの種類によっては近くを鈍麻させるものもあります。

②これは知覚過敏の薬を歯科医院で塗布してもらう方法です。ずいぶん昔から行われている方法だと思います。
あとはEr‐YAGレーザーの照射を行う方法もあり当院でも処置が可能です。

③まずは②と同じく薬を塗る方法があります。MSコートという薬を当院ではよく使用します。薬を塗るとカルシウムの結晶ができて象牙細管口をふうさしてくれます。甘いものを頻繁に摂る方だと虫歯菌が出す酸ですぐ結晶が溶けてしまうこともあるみたいです。
もうひとつの方法は虫歯の治療の詰め物と同じような材料で細管口に蓋をしてしまいことです。

どの方法にも長所短所はありますし、病態によって方法を選択しています。
ご相談ください。

                                                                                                   

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