■ カテゴリー: 小児歯科
乳歯と永久歯
こんにちは。今日は朝からもんのすごい雨でした!
今日のような冷たい雨が降ると冬がくるんだなあと感じてしまいます。気が早いですかね?世の中はまだブタクサのアレルギーで苦しんでおられるシーズンだというのに。
今日知ったのですが、うちの近所にゴージャズに咲いてるセイタカアワダチソウもブタクサみたいにアレルギーを起こすのだと思っていたのですが濡れ衣でした。似たような出で立ちなのに…。セイタカアワダチソウの黄色が大好きです。
今日患者さんがおっしゃっていたのですが「ツボに沢山セイタカアワダチソウを生けたらとても綺麗よ」
本当にその通りだと思います。
さて。今月も「KIDS」の原稿を書いておりました。
乳歯から永久歯への生え変わり方についてよく質問を受けます。ヒトは乳歯20本、永久歯32本です。だいたい11歳くらいで乳歯が抜けて永久歯が生え揃っていきます。
そもそも乳歯は何のためにあるのでしょう。ほとんどの哺乳類は二生歯性といって、一生に二回歯が生えます。犬や猫も本数は違っても乳歯と永久歯がそれぞれあります。
ちなみに…
犬・・・・乳歯28本 永久歯42本
猫・・・・乳歯26本 永久歯30本
うさぎ・・乳歯16本 永久歯28本(お腹の中で永久歯に生え変わります。そして人や犬猫と違い生えた歯が伸びます)
ヒトの歯は生えてしまったら大きさが変わりません。小さい歯が生えて大きくなることはできません。だから小さい子供には小さい歯、大きい大人には大きい歯が生えるという理由だと思います。顎が大きくなるまで歯が生えなかったとしたら噛むことによる顎の発育もないわけです。そして乳歯は永久歯の生えるスペースを確保してくれる役割もあります。歯は生えると前の方へ倒れる(動く)性質があるのでもし乳歯が虫歯でかけたり抜けたりしてスペースを確保してくれていないと永久歯が前の方に倒れていってしまい、結果として歯並びが悪くなってしまいます。
なぜ一回しか生え変わらないのでしょうか。それは進化の過程でそうなったということでしょう。例えばサメは独自の進化を遂げています。比較的に簡単に抜けますが、何列も並んでいて抜けても次の歯後ろから前にせり出すように送られてきます。ベルトコンベアーのように。
鮫肌というようにサメの皮膚はザラザラですがサメの皮膚の突起が獲物を捕らえる歯として進化したものだと言われていますので、皮膚のようにターンオーバーしてくるシステムも納得できます。
羨ましいことですよね。
歯もそうだけど、私の皮膚ももうちょっといい活性を期待したいな…。
ではでは。
真夏
毎日暑いですね~。
そして皆さん毎晩ロンドン五輪に熱くなっていらっしゃるでしょうか!?
日本勢の活躍、素晴らしいですね!国政のニュースを見忘れちゃうくらい、私も毎日テレビに釘付けです。最近朝の室温が高すぎて早起きしてしまうのですが、覚醒後すぐにテレビをつけてしまいます。そういう方多いみたいですね。活力になります。
とても久しぶりでしたね。煙であまり見えなかったのですけど、それでも懐かしくて良かったです
今月号のKIDS(小さい患者さんの保護者様向けの院内壁新聞)にも書かせていただいたのですが、MIペーストについてお話しましょう。
MIペーストは虫歯予防の口腔ケア商品です。チューブに入っていて歯磨剤みたいな感じ。
CPP-ACPといいます。
不幸にして出来てしまった虫歯でも穴があかないうちなら、むやみに削らずに、フッ素、CPP-ACP(リカルデント)やキシリトールを使用したり、唾液の分泌をよくするなど、再石灰化を促す努力をすれば、虫歯の進行を止め元の状態に回復させることができます。
CPP-ACP(リカルデント)は、メルボルン大学 レイノルズ教授らのグループによって開発された牛乳由来タンパク質の分解物であるカゼインホスホペプチド(CPP)と、非結晶性リン酸カルシウム(ACP)の複合体です。CPP-ACPはカルシウムとリンを高い濃度で口腔内に供給してくれます。
これによって再石灰化が進みます。
歯科医院での歯のクリーニングの後で用いると特に効果が高いと言われますが、自宅でもよく歯磨きしたあとに塗布しましょう。
歯はもともと脱灰(カルシウムが溶けること)と再石灰化(カルシウムが歯の中に戻ること)を繰り返しています。生えたばかりの歯はとても虫歯になりやすいですがこの時期に虫歯にさせないで乗り切ると歯質は強くなり虫歯になりにくくなっていきます。再石灰化したところは虫歯になりにくいという説もありますから、まずは生活習慣を見直し食習慣とブラッシング、それらを補う意味でフッ素とMIペーストはとても有効でしょう。二つを一緒に使ったほうがより効果的です。
いちご、バニラ、メロン、ヨーグルト、ミント味の他に期間限定でマスカット味というのが出ているようです。チョコレート味もあったのですがこれが限定味だったようで今はもう手に入らないみたいですね。
歯のできかたつくられかた
めりーくりすます!にはまだ早いのですが、
街のディスプレイが徐々にクリスマス色に染まっていきますね。
うちのくま君もサンタさんのコスチュームに着がえます。
最近、歯の話から離れっぱなしなので、たまにはまじめに書きます。
今日は歯のでき方についてです。
歯はあごの中で発育します。歯胚(しはい)とよばれる細胞の集合体によって作られます。エナメル質を作る部分、象牙質や歯の神経を作る部分、歯周組織を作る部分に分かれてそれぞれ連動し合って作られるのです。
乳歯は前歯が最初で、妊娠7週から10週頃に作られ始めるといわれています。永久歯は第一大臼歯(ろくちゃん・六歳臼歯)が最初で、胎生3.5か月~4ヶ月頃に作られはじめ、三歳くらいまでに歯冠(歯の頭の部分)が完成します。生えた時はまだ歯根は未完成で10歳くらいで歯根が完成します。正常な歯の発育のためには食生活も重要です。歯の栄養には、カルシウムだけでなく、タンパク質、リン、ビタミンA・C・Dの栄養素を含む食品をバランス良くとることが大切です。カルシウム(ひじき、チーズ、しらすぼし)とリン(米、牛肉、豚肉、卵)は、歯の石灰化のための材料に、タンパク質(あじ、卵、牛乳、豆腐)は歯の基礎となり、ビタミンA(豚、レバー、ほうれん草、にんじん)は、歯のエナメル質の土台となり、ビタミンC(ほうれん草、みかん、さつまいも)は象牙質の土台となり、ビタミンD(バター、卵黄、牛乳)はカルシウムの代謝や石灰化の調節役となります。
バランスの取れた食事をしましょう
もしも、運動会で歯が抜けたらば
こんにちは。急に秋らしくなりましたね。
秋といえば食欲の秋…読書の秋…そしてスポーツの秋でしょう。秋は運動会の季節(運動会は学校や幼稚園によって春と秋に分かれるようですが、今日は体育の日でももありますし)
スポーツに付き物なのがやはりケガ(汗)
やや強引ですが今日は歯の外傷の話です。
乳歯の外傷では折れるよりも脱臼の場合が多いようです。脱臼とはぶつかった歯が移動したり埋もれたり出てきていたり完全に抜け落ちたりといったことです。
歯が抜けてしまった場合、治療の重要なカギとなるのは、「歯根膜」と呼ばれる歯の組織です。これが新鮮な状態で保存されていればほぼ元通りに口の中に戻すことが出来ます。ただ、乾燥してしまうとその可能性は低くなります。保存状態が良好であれば歯科医院では歯を戻して固定して8から12週そのままにしておきます。
① 洗う 水道水で大丈夫です。こすってはだめ。
② もし、抜けた歯がきれいな状態で、抜けたところに戻せるなら戻す。
③ ②が無理なら歯牙保存液に入れる。市販されています。
もし余分があるなら水道水で洗わず歯牙保存液で洗ったあと、新しい保存液に入れるのが望ましいで
しょう。(歯の頭の部分をつまんで根には触らないでね) ※ネオ製薬工業という会社から出ています。
④ 歯牙保存液がないなら牛乳や生理食塩水の中に。ただし保存できる時間はずっと短いのでご注意を。
⑤ なにもなければ、水道水。ほっぺの裏に入れておくなどとにかく乾燥させないことが大切です。
とにかく外傷で歯が抜けてしまったら、乾かさないようにして出来るだけ早く歯科医院へ。ただし、生え代わりが近いような歯は抜けても放っておいて大丈夫です。 |
猛暑とアイスと
あちこちでお祭り、花火など目白押しです。昨夜は新潟祭りの花火でしたか
くまくんも、夏祭りバージョンです
この暑さについついアイスクリームなどの氷菓に手が伸びてしまうのは必然でしょうか……。甘くて冷たいものの誘惑に勝てる子供はあまりいないような気がします。アイスクリームは冷えた状態で味わうためにかなり高い糖分が添加されています。虫歯とカロリーの点からご注意を!
さて、そんなわけで本日は人間の味覚について。
味覚は新生児の段階から既によく発達しているもので、本能的に甘味に対しては最も反応が鋭く、つまりおっぱいを吸う反応が見られます。これは生理的欲求と一致するためでしょう。しかし三か月から五カ月位になると色々な味を受け入れることが出来るようになります。徐々に酸味や塩味にも慣れてくるのです。また甘味は酸味や辛味等の味を隠す働きがありますから、甘味を被せた食生活が多いと甘味のみに味覚が満足してしまい他の味に慣れないために幅広い味覚の発達が損なわれてしまうので注意が必要です。
余談ですが私は塩辛いものがあまり好きではありません。(残念ながら甘いものは大好き)
塩味の味覚は離乳機から始まる後天的な食体験によって形成されていくようです。4歳ごろには大人と同じくらいの濃度の塩味を好むようになるそうです。実際に塩味の濃いものを食べている人は塩味に対する味覚が鈍感になっており、薄味に慣れている人は敏感になっているようです。離乳の初期からあまり食塩を与えてはいけないといわれており、大人の食べ物の約五倍に薄めたものが基本で、そこから少しずつ近づけていくのです。
(うちの親の卵焼きは甘かった。少なくともしょっぱくはなかった……)
食育の前段階として幼児期の食生活というのは殊に重要なものです。離乳期から小学校時代にかけて色々な食べ物を経験することにより、食生活の幅が広がっていくのが望ましいですね!
最後に、うちの植栽を紹介♪