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休診日のおしごと

テーマ:歯周病予防 2019.07.25

今日はとても暑かったです。梅雨明けして早々のこの暑さ!参りました。

午前中は新人さんの研修をしました。前半は私が健康保険の仕組みとカルテの作成手順などをかなりスパルタ的に教えて、後半は歯科衛生士が休日出勤してくれて歯科治療の流れや用語などを懇切丁寧に…。

新人さんは、新しい知識をがつがつに詰め込まれて、頭がパンパンになって帰って行かれました。大丈夫かな?

この暑さで医院の庭のサンパチェンスが萎れました。うちの庭にはやや木々に隠れるところにインパチェンス、炎天下にさらされる歩道側にサンパチェンスを植えています。サンパチェンスはインパチェンス属の種間雑種としてサカタのタネが開発した品種だそうで、真夏の日差しにも強いのが特徴…萎れてるけどね。

 

午後は長岡で研修会でした。テーマは禁煙指導。新大医学部の教授より主にタバコの有害物質についてさまざまなエビデンスのお話と、保健師で労働衛生コンサルタントの先生より実際的な保健指導のコーチング術のお話でした。

タバコをやめられないのは意思が弱いからではなく喫煙習慣の正体が依存症であることは常識になっていると思います。ニコチンは脳のニコチン受容体へ作用しドパミン系報酬回路を介して喫煙者に快楽を与えます。ニコチン受容体は若くして喫煙を始めるほどその数と感受性が高まります。脳内報酬回路とは「がんばったらご褒美がもらえる」みたいなものと考えると解りやすいです。ニコチンを入れることで快楽が得られることによって脳にさぼり癖が出て、ニコチンなしでは快楽が薄くなってしまうような現象が起きてこれが依存症を生むわけです。

ゆえに、やはりお医者さんで禁煙するのがやはり近道でしょう!(ちなみに歯科でニコチンパッチやチャンピックスは処方できません)

そして!本数を減らしてもつらいだけで効果ないそうです。

 

受動喫煙は今までも問題になっていましたが、副流煙だけでなく、呼出煙(喫煙者の吐く息)も問題になっています。加熱式タバコは確かに副流煙は発生しませんが、呼出煙の中にはPM2.5もあるそうで、家族の健康を思うなら家で吸わないのはもちろんですが、吸い終わってもしばらくは自分の体を家族の前にさらさないのか一番という事になってしまいます。エレベーターに喫煙される方が入ってくるとそれだけで頭痛がするのは、単に匂いが嫌いで精神的なものかと思っていましたが、どうやらそれだけではなかったのかもしれません。

喫煙が歯周病に及ぼす影響は言うまでもありません。結構重症化しますが、喫煙する方の歯ぐきは出血もしにくいので本人が気づいていないケースも多いと思います。さすがに歯が抜ければどんな方でも気が付くと思いますけどそれじゃ遅いし…。

じつはあんまり患者さんにタバコをやめるように強く言ったことはありません。(どうしても歯周病を改善したいという方は例外として)

世代もあると思いますが、私が子供のころ大人は大抵タバコを吸っていましたから、そんなもんだという意識は根底にあります。タバコのヤニと歯石とともに歯が全部抜けて、総入れ歯でハイライトを咥え、入れ歯をヤニで黒く染める方は珍しくもないですし。

どこかで自己責任論にすり替えているのでしょうね。でも、本人が依存症で健康を害しているのに医療者が全くスルーってのもこれからは良くないのではないのかと思った研修会でした。

                                                                                                   

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