ミュータンス菌はたんすとは違うんだよね?
こんにちは。
今日はミュータンス菌のお話を。
ふと思い出しました。小さい男の子に「ミュータンス菌はたんすとは違うんだよね?」と聞かれた日の事を。その発想に思わず笑ってしまいました。洋服箪笥との違いを説明したことを覚えています。しかしまだ幼稚園生なのにミュータンス菌という単語をご両親から聞いていたという事ですもんね。すごい!
ミュータンス菌は学名「ストレプトコッカス・ミュータンス」といいます。連鎖球菌の仲間で、虫歯菌の名で知られています。
よく、砂糖が虫歯を作りやすい話は聞くと思いますが、いくら砂糖を食べても虫歯菌のいない口の中に虫歯はできません。しかし、乳歯が生えてミュータンス菌が定着し始めると、砂糖を摂ることで虫歯ができやすくなります。ミュータンス菌はネバネバして水に溶けない物質(グルカン)を砂糖から作ります。これがミュータンス菌が歯の表面に付着する足がかりになります。グルカンは歯垢(プラーク)を作ります。砂糖を摂ることで歯の表面に歯垢が形成されるとプラーク内のミュータンス菌は飲食物中の糖分を分解して酸を作り歯を溶かしていきます。これが何度も繰り返されると歯は崩壊し虫歯が発生することになります。
最近では、赤ちゃんの口の中は無菌でミュータンス菌は親などから感染するものであることは周知の事実となって、親御さんや祖父母の方からその種の質問をされることが少なくなりました。ほとんどないといっていいでしょう。常識として定着しているようです。
食物や食具を介して伝播するわけですが、たとえミュータンス菌が母親から子供の口の中に入ったとしても、すぐに虫歯が出来るわけではありません。口の中に定着するためには砂糖の存在が不可欠だということをお忘れなく。三、四歳の頃に砂糖の味を覚えさせないことは虫歯菌を定着させないためにとても重要です。
新潟の子供は日本一虫歯が少ないそうです。今後もそうありたいものですね!