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江戸時代も予防が大事?

テーマ:歯周病予防, 虫歯 2015.06.29
口中医桂助事件帖シリーズ1巻『南天うさぎ』を読みました。
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虫歯で命を失うこともあった江戸時代、日本橋随一の呉服問屋の若旦那で江戸の名歯科医・藤屋桂助と幼なじみで薬草の知識を持つ志保、江戸の房楊枝職人の鋼次が、ともに力を合わせ庶民たちに歯の大切さを説き、虫歯で悩む者たちを長崎仕込みの知識で次々と救う。歯科医という職業からの着眼点で、主人公の周りで起こる事件を解決していく事件帖。きめ細かな心理が描かれ江戸時代の歯科状況がわかります。
当時の人たちは蛋白質の摂取が不足していたので病中「白牛酪」を摂らせるべきという主人公の考え方や乳歯から永久歯に生え変わるような成長期にできれば白牛酪を食べさせたいといったことなど現代と通じるものがあります。
白牛酪とはチーズみたいなものらしいですが徳川家斉が好んで食べたらしく医師に「白牛酪考」という本まで書かせたほどだとか。
「南天うさぎ」の中では主人公が子どもの虫歯予防歯周病予防のために房楊枝を盛んに勧めています。歯ブラシの原型のようなもので西洋から歯ブラシが伝わるまではこちらが主流でした。かわ柳などの小枝の先端を煮て鉄鎚で叩き、木綿針の櫛ですいて木の繊維を柔らかい房状にしたものだそうです。
今のように治療技術のない時代、虫歯や歯周病で命を落とすものも多く、予防の大切さを訴える主人公のまじめな人柄がよく描写されています。
ご興味のある方、ぜひ手にとってみてください。
シリーズですが、この後主人公の重大な秘密が………。ネタバレ禁止ですね。
                                                                                                   

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