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キシリトールXYLITOL木糖醇

テーマ: 健康情報, 虫歯 2010.10.10

さっきネットサーフィンしていたらキシリトール入りの衣料を発見。キシリトールは吸熱作用があってシャツやストッキングに応用されているそうです。着心地爽やか!多分。

でももう季節的にはそれよりヒートテックかしら?

でも歯科医院のブログとしては、基本に立ち返る意味で今日はキシリトールガムの話を。

キシリトールがむし歯予防によいのは今ではほとんどの人が知っているでしょう。

むし歯の原因となるミュータンス菌は食べかすの中の糖分をエネルギー源として酸を生成し、活動しています。この酸が虫歯を引き起こすわけですねkaeru.gif

キシリトールがむし歯を防ぐ理由は、大きく2つに分けることができます。
1つは

hand02.gif「むし歯の原因にならない」ということ。

ミュータンス菌はキシリトールを摂取できない性質のため歯を溶かす酸を生成することができません。さらにキシリトールは酸の中和を促進する働きも持っています。唾液も出やすくなるなど、口中をむし歯になりにくい状態に保ってくれます。
もう1つは

hand02.gif「むし歯の発生、進行を防ぐ」という効果。

むし歯の原因となるプラークをつきにくくし、歯の再石灰化を促します。

さらにキシリトールは、ミュータンス菌の活動を弱める働きを持っています。このむし歯原因菌への働きは、他の甘味料にはみられないキシリトールだけの効果です。ミュータンス菌の活動が弱められた結果、口腔内における有用菌との勢力バランスが変わり、むし歯になりにくい環境になります。

キシリトールはもともと野菜や果物に多く含まれていますがもっとも多く含まれている食材はプラム(すもも)だと言われています。あとはイチゴとか、ラズベリーとか。人間の肝臓でもキシリトールは生成されています。ガムやタブレットに使われているキシリトールは白樺から採取されています。昔から糖尿病の治療に栄養剤として使用されており、そこから虫歯予防効果が発見された経緯がありますし、安全性においては太鼓判でしょう。

hand02.gif フッ素とキシリトールの相乗効果でよりむし歯予防効果が高まります。 食後やフッ素入りの歯磨き剤で磨いた後にキシリトールを摂取しましょう。

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実りの季節ですが‥‥

テーマ: 健康情報 2010.08.25

暑いですね。休みの日はクーラーのきいた部屋でだらけるよりもましと思い、車で出かけてしまいます。真夏のドライブは海もいいですが、緑美しい田んぼに挟まれまっすぐに延びる広域農道をのんびり走るのも好きです。

残暑厳しい日々がまだまだ続いておりますが、あと一月二月経てば重たげな金色の稲穂と秋の日差しが美しい事でしょう。

話の持って行き方が少々強引ですが、今日は稲とアレルギーのお話。

イネ科の花粉は小児ぜんそくの原因の一つとして知られています。イネ科が花をつける五月以降は堤防などをジョギングしたりするのは避けた方がよいでしょうね。カモガヤ、ハルガヤ、ムギ、イネ、アシ、ススキ、ネズミホソムギ、ネズミムギ、ホソムギ、オニウシノケグサ、スズメノカタビラ、スズメノテッポウなどが知られています。ただし、お米の稲の花粉それ自体は花粉症や喘息の原因にはならないんだそうです。

私は喘息持ちではないのですが子供のころ稲刈りの時期は少し咳が続いたようです。

稲刈り後の稲わらやもみ殻を燃やしたときに出る煙の中に、ぜんそくの発作を引き起こす化学物質が含まれているそうです。もみ殻から出た「ちり」の抽出液を分析すると、細菌内毒素(エンドトキシン)が含まれており、体内でアレルギーを引き起こす「好酸球」を活性化させていたという裏付けがあるようです。

私の幼いころは近所の田んぼでもみ殻を焼いていました。最近では焼いているところをあまり見ませんが、もみ殻焼の煙からはアセトアルデヒドやホルムアルデヒドも検出されるそうです。

稲刈り後の田んぼから立ち上るもみ殻や稲わらの煙は、米どころの秋の風物詩。ですが喘息の方にはつらい時期のはず。どうか気をつけてください。

あなたは鼻呼吸?口呼吸?

テーマ: 健康情報, 歯周病予防, 虫歯 2010.07.18

こんにちは。梅雨明けだそうですね。明けましておめでとう???

毎日暑いですが、新潟の暑さはそんなには嫌いではありませんが、夏バテしないためにも滋養のつくものでも食べようかなと思う今日この頃。

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dog.gif今日は口呼吸のお話。

普段診療していて、どれだけ歯石取りしてもブラッシングに気をつけてもらっても歯肉の炎症があまり改善しなかったり歯石が繰り返し沈着してしまったりする患者さんがいらっしゃいます。そうした患者さんへの視点を少し変えてみると呼吸が正常ではないことに気づいたりします。

ああ、口呼吸なんだな‥‥と。

普段無意識のうちに行っている呼吸ですが、鼻からか口からか意識してみてください。ぼーっとしているとなど「少しでも口を開けているかも?」と思い当たる人は、口から息を吸って吐いている=口呼吸をしている可能性があります。 口呼吸は歯肉の炎症だけでなくさまざまな病気を引き起こします。

雑菌やほこりが濾過される仕組みになっています。

外からのウィルスや雑菌が直接免疫系に作用してしまいます。

 

口呼吸かどうかチェックする項目はいくつかあります。唇が乾燥しやすかったり、口内炎ができやすかったり、歯並びが悪かったり、唇を閉じたときに顎にしわが寄る(梅干しみたいに)、などなど。

口呼吸によるお口のトラブルには次のようなものがあります。

 

bikkuri01.gifプラーク・歯石が付きやすくなるbikkuri01.gif 口の中が乾燥し唾液が行き届かないために自浄作用がないが起きないため。

bikkuri01.gif歯肉の炎症bikkuri01.gif 唾液の免疫機能による作用が働きづらいため。

bikkuri01.gif上の前歯の白濁(虫歯)bikkuri01.gif 唾液の自浄作用、緩衝作用(虫歯菌の出す酸を中和する)が受けづらいので歯が再石灰化しにくい。

※口の中は食後酸性にかたむき歯は脱灰(溶ける)しますが唾液の緩衝作用で再石灰化(再びカルシウムをとりこむ)するということを繰り返すのです。

bikkuri01.gif唇が厚くなるbikkuri01.gif 口輪筋、唇に緊張がなく筋肉がゆるむため

bikkuri01.gif上の前歯が突出する(出っ歯)bikkuri01.gif 歯は口唇と舌の力のバランスでいつが決まるのですが、成長期に口輪筋、唇に緊張がなく筋肉がゆるんでいると、外側に力が向かい、出っ歯になりやすくなるのです。

 

bikkuri01.gif唇、口腔内の乾燥、口内炎bikkuri01.gif 口の中が乾燥し唾液が行き届かないために粘膜が保護されません。細菌にも弱くなりますから口内炎もできやすくなるのでしょう。

bikkuri01.gif歯肉が厚くなるbikkuri01.gif 外気に直接触れるために、防御機構として線維化し歯肉が厚くなり黒くなったりします。

かなり沢山のトラブルを列記しましたが、これらはそれぞれ関連があり同時にいくつもの症状が出ることが多いので大変です。しかし、鼻呼吸に切り替えるトレーニングをすることで改善することも多いので根気よく治していきましょう。

また、お子さんが日常生活で口を閉じているよう保護者の方は見守ってみましょう。歯周病や虫歯を防げるだけでなく歯列不正も予防できます。

ただし、 アレルギー性鼻炎などで口呼吸が子供のころから習慣化してしまっている方の場合は切り替えがなかなか困難であるかもしれません。キシリトールガムなどを口を閉じて咬むトレーニング、口輪筋を鍛えるトレーニングなどが必要でしょう。

ご相談ください。

 

 

 

口腔ケア~誤嚥性肺炎の予防~

テーマ: 健康情報, 歯周病予防 2010.06.20

こんにちは。毎日じめじめしていて洗濯物が乾かない季節になりました。素肌にまとわりつく湿気もそんなには嫌いじゃないです。でもまだ夏本番には遠いようで気温はそれほど高くないので窓を開けて診療できるし、気持ちがいいです。

今日は口腔ケアの話。去年介護保険点数の改正で口腔ケアの加算がついたことなどから口腔ケアの重要度が社会的にも認められてようやく制度が追いつこうとしているのかな、と少々期待を持ったりしています。

お口の細菌が肺の病気に関係します

お口から気管を通って肺に入り込んだ細菌が、肺炎を引き起こすことがあります。これを誤嚥性肺炎といいます。

私たちの体は、食物を飲み込むときに気管にフタ(喉頭蓋)をし、気管や肺へ異物が入るのを防ぐ仕組みになっています。この反射が低下するお年寄りに、多く起こります。気づかないうちに飲み込んだものが気管から肺へ流れ込むことがあるのです。

加えて、気管支の働きや体を守る力(免疫力)も弱くなるため肺炎にかかる危険性が高まるのです。

お口の中の細菌が肺炎の病巣から見つかったという報告もありますし、統計的に口腔ケアをきちんとやっていたお年寄りでは発熱の頻度が低かったとも言われています。

誤嚥性肺炎の防止のために積極的に口腔ケアをしましょう。

ただし、口腔ケアをする際にはお年寄りの協力が得られる場合もあれば、お口を開けるのを極端に嫌がられるケースもあります。お口どころか日常的な身体介護すら大変な場合とても口腔ケアまで行き届かない事もあるかと思います。

また、歯のあるお年寄りの場合、ケアワーカー側が咬傷を負うケースもあり、指ガードなどのグッズもありますが、プラスチックでできているためにかえってお年寄りの上顎に傷をつけてしまってはと不安がる声もお聞きしました。

いずれにしても根気よく接していくほかないのですが、一緒に訪問診療に回っていた口腔ケア担当の歯科衛生士はとにかく打ち解けるところから、お名前をお呼びしこちらの顔を覚えてもらうことからはじめていたように思います。

お口の中の管理の難しくなったお年寄りをこれまで沢山診てきましたし、歯の治療もしたし入れ歯も沢山作ってきましたが、厳密なメインテナンスが出来ない状態で歯があるということは現実問題としてとても大変なことです。歯の痛みというのは時として悶絶するほど強いものです。それを周囲の人や歯科医に適切に伝えられない場合もあります(食欲がなくなったとかでケアワーカーや家族が気づいたりもしますが)。そして前述した誤嚥性肺炎の問題もあります。いくら口腔ケアしても虫歯の穴だらけのお口の中、どれだけの細菌がいるだろう。かといって全身状態、認知症の問題から多数歯の抜歯は困難で削ったりする虫歯治療も困難ということも日常茶飯事です。

そうなってくると8020(80さいまで20本の歯を残そうというスローガン)が有病高齢者にとって果たして本当に幸せなことか?などというジレンマにおそわれてしまいます。歯医者にあるまじき発言ととられるかもしれませんが……。

私に出来るのは結局はその時その方に適した治療なりケアなりを提供するべくああでもないこうでもないと頭を悩ませたり、最新の技術を取り入れたり、時には基本に立ち返って古くから認められた治療を再確認してみたり、積み重ねていくことなのかなあって思うのです。

ではでは、今日はこの辺で。

私も歯を磨いたあとは明日の診療に備えて休養をとるといたします。

管楽器を吹く方へ~歯科受診のすすめ

テーマ: 健康情報 2010.05.12

ようやく暖かくなってきましたね。医院のヤマボウシも芽吹いて鮮やかな新緑が青空に映えます。

なんて思っていたら、昨日は土砂降り‥‥などと天気も変わりやすいので、皆さん風邪などひかれませんよう気をつけてくださいませ。

さて、今日は管楽器とお口のお話。

管楽器を吹く人は、マウスピースやリードを口唇にあてて息を吹き込み音を発生させます。演奏中は様々な表情筋を動かします。管楽器吹奏時に歯はマウスピースに接触したり、唇の裏から支えたり様々な役割を果たしています。つまり、歯は楽器の一部なのです。歯だけでなく表情筋やそれらが作る口腔という空間や機能を含めて共鳴体となるわけです。

歯列不正があると、筋肉のバランスが悪く吹きにくかったりします。歯列不正によって過度に筋肉が緊張したり口唇が圧迫されますし、うまく口を閉鎖できず息が漏れたりします。
その結果、口唇に傷がついたり、口の周囲の筋肉が疲れてバテる原因となります。

こういったトラブルを回避するために八重歯を抜歯したり歯を被せ治したりすることが必要になることもあるそうです。ただ、天然歯を傷つけますので必ずしも受け入れられるわけではありませんから、「金管用アダプター」を用います。歯型をとって模型上で歯列不正部分を補正するようなマウスピースを作り、吹奏時にのみはめるというものです。それによってバテや傷が回避される可能性があります。

ただ、矯正治療に関しては賛否両論あり必ずしも歯列が整ったからと言って楽器がうまくなるというものではないらしいです。

不幸にして虫歯などで歯を削ってかぶせたり、ブリッジなどを入れる場合、歯科医には必ず自分が管楽器を吹くんだということを伝えてください。長い補綴物(かぶせもの、ブリッジ)を入れる時などは特に、プロビジョナルレストレーション(実際の補綴物を入れるための参考にする仮歯)における調整、吹奏感の確認などが重要になってきます。もうひとつ大事なことは前もって自分の歯型をとっておくことです。歯科医はそれを参考にすることができます。ただし被せものという性質を考えると必ずしも模型と同じ歯の形が再現できるとは限りません。そして口の中の状態は一定ではなく加齢や歯周病によって変わってきますから、再現できたからと言って必ずしもそれが現在の奏者にとって最良の形態であるとは限りませんから、きちんと歯科医と相談しながら慎重に進めていく必要があります。

管楽器奏者はおそらく口腔のメインテナンスに気を使っていらっしゃる方がほとんどだと思います。もし歯が失われた場合以前のように吹けなくなることがあります。普段から、歯周病のメインテナンスをしておく必要があります。歯周病のある歯はマウスピースなどから受ける外力により悪化しますし、また、歯の位置が移動してきます。このため、吹いていない時(例えば睡眠時)にマウスピースを装着し歯を保護し位置を保つことも有効でしょう。

そもそも、ぐらぐらの歯では食事もままならないわけですが‥‥。

三度の食事より楽器の好きな皆さんもお口のメインテナンスは大事ですヨ。

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医療DX推進体制整備について以下の通り対応を行っています。