■ カテゴリー: 虫歯
虫歯治療の銀歯のこと
むし歯になる人ならない人がいます。ならないようにどうするかという予防はブログでよくお話していた気がしますが、なった後の事はあまりネタにしていなかったと思います。
ざっくり言って、小さいむし歯だとその場で虫歯になった歯質を取り除いて、コンポジットレジンという白い詰め物をしたりします。小さくても場所によっては詰められない場合もありますし、むし歯が大きくなるとコンポジットレジンで直接穴を埋めることで修復しきれないこともあります。そんな時、歯型を取って虫歯の部分を修復するための金属を作り後日それを接着剤などで装着します。
金属は保険診療だと「金銀パラジウム合金」というのを使用します。乳歯の時は違う銀合金というもう少しやわらかい金属を使用します。
金銀パラジウム合金は保険用金属で金12%パラジウム20%と決まっていますが銀は決まっておらずメーカーによって45~50%前後です。金の次に銅が多く、そのほかは亜鉛・ガリウム・イリジウム・インジウムが含まれます。正しくは銀パラジウム金合金?ゴロが悪い。
国際情勢によっていまやとても高価な金属です…。銀歯になっちゃうと申し上げるみなさん嫌がるけど。
金や銀はともかく、パラジウムやイリジウム、インジウム、亜鉛ではアレルギーを起こす人が一定割合いるといわれています。金属アレルギーのある方は皮膚科でパッチテストをしてもらってくださいね。
とはいえ、金属修復は歴史もあり技工士さんも作りなれて精巧なものが出来上がってくるし、お口の中に入った後破損のケースも少ないです。利点もたくさんあるのですよ…。むつかしいですね。
フッ素洗口が始まってる小学校が多いらしいです
希望者に対してフッ素洗口を週一回行う小学校が増えているようです。フッ素の虫歯予防の効果はよく知られているのでいうまでもありませんが、フッ素洗口とフッ化物塗布を両方受けても構わないのかという質問がたまに寄せられます。
日本は水道水のフロリデーションが行われていないので、フッ素洗口とフッ素塗布、家庭でのフッ素入り歯磨き剤を同時に使用しても、中毒症状や歯のフッ素症などが起こることはないのだそうです。
昨年2017年に1000ppm~1500ppmのフッ化物を歯磨剤に配合することが承認されました。
1000ppmとは0.1%のことです(フッ化物イオンとして)。
歯磨剤のフッ化物濃度が1500ppmに上がると虫歯予防効果が上がることが海外の論文などで読み取れます。しかし6歳未満の子供には使用を控えるようにと定められています。15歳未満の子供では歯科医師の判断の下で正しい量(1000ppmで1㎝程度)を使用している分には問題ないといわれています。必ずパッケージのフッ化物濃度表示を確認いたしましょう。
ちなみにフッ素塗布のフッ素は2%フッ化ナトリウムでフッ素としての濃度は9000ppmです。
フッ素洗口は週一回法の場合、フッ素塗布の十分の一で、0.2%のフッ化ナトリウムで900ppmです。一回分の洗口液を誤って飲んでしまったとしても急性中毒の心配はありません。
虫歯リスクの高い方は複数の方法の合わせ技で効果を高めることもできます。
医院のクロッカスが咲き終わり、そろそろチューリップやアネモネが咲こうかというシーズンです。バラも新芽が芽吹いてきてこれからという感じ。、春はいいですね。
今年の診療は今日で終わり
2017年もあとわずか。診療は今日の午前中まででした😊
診療の後は、正社員たちと私で大掃除でした。これで年明けはさわやかな診療室で気分も新たに患者さんをお迎えできることでしょう。
年末年始は、皆さまおいしいものを食べておいしいお酒を飲んで楽しく過ごされるのでしょうか。
で、オヤクソクですが、食後の歯磨きもお忘れなく。とてもありがちですが酔っぱらってそのまま寝ちゃわないように!!きっとお口の中は酸性に傾いて虫歯菌が大渋滞で、お口はネバネバで歯周病菌フェスティバルって感じです。翌朝、起きたときの口の中の身持ち悪い感じで多分激しく後悔します。(身に覚えアリ)
気を付けましょう😂
歯磨きとはつくづく奥が深いものなのですが、使用するアイテムの選択は大事だと思います。あとはやる気と根性と惰性?(良く言えば習慣)
歯間ブラシのサイズの選択ですが、結局はその歯間に適合したサイズに勝るものはないのですが、歯は欠損がなければ親知らずを除いて28本あります。歯間は上下合わせて少なくとも26か所あるわけで、その中には4Sしか入らないところもあればSでスカスカというところもあったりするでしょう。叢生(乱杭歯)があればフロスしか入らないところもあったりします。ブリッジがある場合、フロス(糸ようじ)は入りませんから確実に歯間ブラシが必要であったり。
その中でどの歯をどのアイテムで磨いていくか?(どの敵をどの武器で‥‥。)という問題を解決するのに我々は役立てるかと思います。答えは一つではないかもしれません。その方によっては歯ブラシの後、歯間ブラシを何本も持つより器用に一本の歯間ブラシですべての歯間を磨き切る技術を習得する方が早いかもしれませんし。一緒に考えていきましょう。きっと今よりよいお口の中の状態を得られるはずです😋
🐓本年は大変お世話になりました。来年もよろしくお願い申し上げます🐈
予防歯科セミナーへ
三月五日、デンタルヘルスアソシエート主催の予防歯科セミナーに行きました。市ヶ谷まで。
衛生士向けなのかな?と思える内容でしたのでうちのスタッフを連れていけばよかったと少し後悔。
■ 予防歯科成功のポイント
◆予防歯科導入の実践法
◆開業医における予防メンテナンスシステムの具体的な構築方法
◆PMTCの臨床テクニック
◆インプラントのメンテナンス法とインプラント周囲炎の予防法
◆唾液検査の効果的な使い方(実習付)
◆3DSの実践的使用法
◆予防歯科実践のためのコミュニケーションスキル
というような内容でした。
現在当院では唾液検査はラボに検体を送って細菌の同定を行ってもらう形の検査を行っています。
虫歯菌や歯周病菌の種類や量を知ることが出来ます。
結果まで時間がかかりすぎることなどが悩みの種でした。むろんすぐに結果が出る検査にもデメリットはあるわけですが、患者さんにもっと気軽にご自分のお口の中の環境の事に目を向けていただくためには簡便さも大切だな!と思いました。
導入については検討中です。
3DSはマウスピースを使用した歯周病や虫歯の予防方法です。よくお問い合わせをいただくのですが、なかなか
効果的な薬品の選択がむつかしい中でいくつかのアイデアをいただいたので、さっそく診療に生かして行けたらなあと思っています。ご興味のある方はご相談ください。
ミュータンス菌はたんすとは違うんだよね?
こんにちは。
今日はミュータンス菌のお話を。
ふと思い出しました。小さい男の子に「ミュータンス菌はたんすとは違うんだよね?」と聞かれた日の事を。その発想に思わず笑ってしまいました。洋服箪笥との違いを説明したことを覚えています。しかしまだ幼稚園生なのにミュータンス菌という単語をご両親から聞いていたという事ですもんね。すごい!
ミュータンス菌は学名「ストレプトコッカス・ミュータンス」といいます。連鎖球菌の仲間で、虫歯菌の名で知られています。
よく、砂糖が虫歯を作りやすい話は聞くと思いますが、いくら砂糖を食べても虫歯菌のいない口の中に虫歯はできません。しかし、乳歯が生えてミュータンス菌が定着し始めると、砂糖を摂ることで虫歯ができやすくなります。ミュータンス菌はネバネバして水に溶けない物質(グルカン)を砂糖から作ります。これがミュータンス菌が歯の表面に付着する足がかりになります。グルカンは歯垢(プラーク)を作ります。砂糖を摂ることで歯の表面に歯垢が形成されるとプラーク内のミュータンス菌は飲食物中の糖分を分解して酸を作り歯を溶かしていきます。これが何度も繰り返されると歯は崩壊し虫歯が発生することになります。
最近では、赤ちゃんの口の中は無菌でミュータンス菌は親などから感染するものであることは周知の事実となって、親御さんや祖父母の方からその種の質問をされることが少なくなりました。ほとんどないといっていいでしょう。常識として定着しているようです。
食物や食具を介して伝播するわけですが、たとえミュータンス菌が母親から子供の口の中に入ったとしても、すぐに虫歯が出来るわけではありません。口の中に定着するためには砂糖の存在が不可欠だということをお忘れなく。三、四歳の頃に砂糖の味を覚えさせないことは虫歯菌を定着させないためにとても重要です。
新潟の子供は日本一虫歯が少ないそうです。今後もそうありたいものですね!